大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和25年(う)386号 判決

記録を査するに昭和二十五年六月二十日附小千谷簡易裁判所裁判官発付の被告人に対する逮捕状並に同月二十三日附長岡簡易裁判所裁判官発付の被告人に対する勾留状は存するけれども、被告人に対する勾留尋問調書を見出し得ないこと、従つて該勾留が適式な尋問の上になされたか否かを窺知し難いことは所論の通りである。しかしながら尋問調書が本件記録に編綴してないからといつて直ちに尋問なくして勾留されたと即断すべきものではなく又若し被告人に対する勾留開始手続に右のような違法があつたとして、それがため爾後の手続がすべて違法となるものとは言えないから被告人の所論検察官に対する供述が前示拘留状発布後になされた一事のみを以つて直ちに該供述調書の証拠能力を否定することは出来ない。然も所論第三回供述調書は被告人及び弁護人において本件の証拠とすることに同意しており供述内容にもその任意性を疑わしむる点は毫も存しないところであるから原判決が右供述調書を所論原判示第二事実の罪証に供したのは違法でなく、論旨は理由がない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!